寝転ぶなら長く

「SHERLOCK」/「シャーロック・ホームズ」シリーズについてつらつら

はじめに

BBCの「SHERLOCK」にすとんとドハマりしてしまったので吐き出し場所にと作りました。

 

・正典を読んだのもここ一ヶ月、「SHERLOCK」を観始めたのが一週間前の、いわゆる“ニワカ”というやつです。

 

・趣味嗜好に節操のない人間が書いていますので、話題が多岐に渡ることが予想されます。

 ブロマンス大好きです。話がそこを超えてロマンスに踏み込みそうなときは注意書きを置く予定ですが、基本的には何でも許せる方向けになるかと。

 

・原作やシリーズ、または文法や語法に関する間違いがありましたら、遠慮なくご指摘ください。

 基本的に「ここはどうなの?」「他の人はどんな風に受け取ってるの?」という興味があるので、正しい解釈や異なる視点を与えていただけるとありがたいです。

お医者先生

 英語字幕を参照しつつ吹き替えと日本語字幕を行き来していると、こんなこと言ってたんだ! という発見があってとても楽しいです。

 先日見付けたのがS2E3、スニーカーについてる花粉を調べるべくシャーロックが顕微鏡に向き合っているシーン。

 現状を"so delightfully interesting"なんて称しちゃうシャーロックに、ジョンが「死にかけてる人がいるってことを忘れるなよ」と窘めるんですが、シャーロックの返しが以下。

"What for?
 There's hospitals full of people dying, Doctor.
 Why don't you go cry by their bedside? See what good it does then."

 この! 言い方!

 三行目の嫌味な反語、吹き替えでは「その人たちにも同情したらどうだ?」とまとめられているんですが、わざわざこんな言い回しで言う辺り辛辣というかシャーロックらしいというか……。" See what good it does then."……! 直訳するなら「それがどんな善を為すか見ろ」、ラフに訳すなら「それがどんな役に立つか見てみるといい(、何の役にも立たないに決まっている)」という感じでしょうか、この後ろに来ている"then"に何だかすごく興奮するんですが、その理由が自分でもよく分かりません。

 

 そして前半の"Doctor."にもご注目いただきたいです。 ワトスンさんを他人に紹介するときDr.Watsonと呼ぶ正典のホームズさんと違って、普段ジョンのことをお医者さん扱いしないシャーロックの、"Doctor"……!

 しかもこのときのベネディクト氏の言い方がまた絶妙で、dyingとDoctorの区切りが明瞭なんですよね。わざわざ付け足した感じ。「君も医者なんだから分かってるだろ? 何を今更?」ってニュアンスが感じられてとても良いです。

 

 

 ちなみにここの「死にかけてる人がいるってことを忘れるな」というジョンのお小言、今回掘り返していて思ったんですが、「場にそぐわない表現を窘める」という行動の一つですよね。

 シャーロックを窘めるジョンというと、S2であればE2の「タイミング……」とか、E3の「笑顔はダメだぞ、誘拐事件だ」とかが思い付きます。そしてそのときは、シャーロックもジョンの言葉を受け入れているんですよね。少なくとも反論はしていない。

 まだ付き合いの短いS1E3から色んな事件を経て、S2の頃になるとシャーロックの中で何かしら変化があったのかなァと思うとなんだか可愛いです。それがジョンの言わんとすることを何となくでも理解したのか、ジョンの言うことなら受け入れられるようになったのか、その辺はいろんな解釈ができると思うんですが。

 そしてこのS2でのジョンの窘め方、シャーロックの感性はそれはそれとして受け入れつつ、でもこの場では止めておこうね、って感じでとても良いなァと思います。ジョンもS1E3を経てシャーロックのそういう立ち位置に悪意が無いのは分かったんでしょうね。誤解を生むから止めような、って呆れ半分な理解の示し方、とても好きです。

君ひとりだけ

 引き続きS2E2「バスカヴィルの犬」の話。

 明けて次の日、シャーロックとジョンが仲直り(…?)するシーンは、初見のときから英語を確認したい! と思っていました。

Sherlock: Listen, what I said before, John, I meant it.
                  I don't have friends. ...I've just got one.

  昨夜のことも"before"でいいの? という小さな疑問もありますが、解釈に悩んでいるのが後半部分。

 ここ字幕や吹き替えだと「友達は居ない、一人しか」という旨の訳になっているんですが、英語字幕を見たときに首を傾げまして。"I have just got one."って現在完了形では? って思ったんですよね。

 そうだとしたら補って訳すと「僕に友達は居ない。最近一人できたばかりで」的な意味になるのでは? なんだそれかわいいな!? と一人で盛り上がりまして、でも一応調べてみるか、とhave+gotで検索を掛けてみたんですが。

 

 ……いやー、調べてみて良かったですね!  やっぱりありましたね、”have got”の形で別の意味!

 別のというか、財産の所有、関係や感情を持つことに対して"I've got ~"という表現をするそうで。"I've just got one."は「友達は一人だけいる」という意味になるんですね。

 更に言えば”get”の活用は get-got-gotten。現在完了形なら"I've gotten"になっているはずで、知識は使わないと失われていくなァと痛感しました。

 

 ……が、イギリス英語では get-got-got と活用するという話も聞きまして。

 しかも"just"が入るなら現在完了形と取るべきなのでは? という考えも捨て切れずにいます。「今まで友逹なんて居なかったんだ、最近一人できたばかりで、それが友逹なんだって気付いてなかったんだ」って言い訳するシャーロック(という解釈)、可愛いじゃないですか……。

 

 という話を書きつづったあとで改めて調べてみると、"I mean it."で「本気だ」という意味があるらしいというのも知りました。色んな言い回しがあるもんですね……!

 昨日言ったことは本当だ、"friends"はいないんだ、という流れなら、"I've just got one."は「たった一人しか友達はいない」と取るのが自然かなァという気もしています。それはそれで可愛い、という結論になるんですけども!

友逹の言うことは

 初っ端からですが疑問と、それについてざっくりと調べた分の覚書です。

 シーズン2エピソード2、「バスカヴィルの犬」。正典からの置き換えが面白くてとても好きなエピソードなので、感想はまた語るとしまして。

 物語の中盤、依頼人と一緒に問題の窪地へ行って帰って来たあとのシャーロックとジョンの遣り取りに、以下のようなものがあります。

John: Why would you listen to me? I'm just your friend.

Sherlock: I don't have FRIENDS.

John: No. .....I wonder why.

 一行目のジョンの台詞、吹き替えと字幕だとそれぞれ「友達の気遣いなんて要らないよな」、「友達の言うことは聞けないか」となっていて、なぜそうなるのか疑問に思ったので調べました。

 

 Why would you~? は強い疑問、そこに至る経緯を問うニュアンスだとのことなので、直訳するなら「一体どうして君が僕の話を聞くのか?」になるんじゃないかと思うんですが、反語も含んで「聞くわけないよな」という感じなんですかね。

 そのあとの" I'm just your friend."も「友逹じゃないか(だから話を聞いてくれよ)」なのか、「ただの友達だもんな(だから聞くわけがなかった)」なのか判断しにくいんですが、ストレートに取るなら後者……なのかなァ。

 吹き替えも字幕も文字数(台詞の長さ)の制限やら口との動きの制限やらがあるのでコンパクトにまとまってますが、冗長に補って訳していいなら「君が僕の話を聞くわけがないよな、単なる友達にすぎない(≒シャーロックと同等の頭脳を持っているわけではない)んだから」という意味合いでしょうか。

 

 二つ目、ジョンの"I wonder why."もちゃんと考えてみるとよく分からなくて、このwhyは"would you listen to me"に掛かっているのか、それとも"I don't have friends"に掛かっているのか、どっちなんでしょう。……これちゃんと知識があれば悩まずに済むのかなーと思うんですが! 考えるのも楽しいので垂れ流しますね!

 前者だとしたら、「なんで君が僕の話を聞いてくれると思ったんだろうな」っていう自嘲混じりの諦め、後者だとしたら「なんで君には友逹がいないんだろうな」と言いつつの「そういうところが原因だよ馬鹿野郎」と言いたい呆れ混じりの怒り、という感じかなァと思います。

 このあとのシーンでジョンが割と怒ってないというか、メールが来て反発はしつつもお返事は返す程度の気持ちみたいなので、前者寄りだろうかとも思うんですが、どちらとも取れるという感じでも問題無いなという印象です。

 

 ……これだけ語っておいて結論は出さないというオチですが、こういうスタンスになりますこのブログ。

 それよりもテキストメッセージを大文字で返すジョンが可愛くないですか。ちょっと苛立ってはいて、だけどお返事はしてくれるジョンが可愛くないですか!(力説)

 

 以下余談。

 ネットをうろうろしている内に「バスカヴィル顔」なる呼び方の存在を知ったんですが、あれは恐怖を語る辺りの表情豊かな部分を指しているんでしょうか……(笑)。

 言われてみれば暖炉前のシーンのベネディクト・カンバーバッチ氏、百面相してますね。わたしは恐怖に少し潤んで赤みを帯びた目元が色っぽいなーという方に意識が行っていたので(笑)、あと"Argh!"な彼の表情がこの時点(S2E2に至るまで)で好きになっていたで、百面相っぷりには特に注目してなかったです。

 「バスカ顔」と呼ぶほどにネタにされているのも意外だし、人によって注目するところが違うなァと面白く思います。